相手が離婚に応じてくれない方へ

自分が離婚したくても、相手が離婚に応じない場合もあります。相手から離婚したくないと拒否されたときに、どのように対処すればよいのかを解説します。

 

■対処の仕方

対処1:離婚調停を申し立てる

当事者間で話し合っていても、意見が違う場合には、合意にいたらないことがほとんどです。そのような場合には、話し合いを仲介してくれる第三者を入れることで事態が進展する可能性があります。この場合にはやはり、家庭裁判所に離婚調停を申し立てて、調停委員会(裁判官と調停委員)に話し合いを仲介してもらったほうがいいでしょう。

自身の離婚の意思の固さを、調停委員を通じて相手にしっかりと説明をしてくれます。相手としても配偶者から直接言われるだけでなく、調停委員という第三者から改めて離婚の意思が固いことを告げられると、配偶者から言われていたときには決心がつかなかった離婚を決意するということもあります。

また、離婚自体には争いがなくても、離婚に伴う条件面で意見の食い違いが発生している場合については、調停委員の仲介によって、条件面の調整できれば、離婚調停が成立する可能性は高くなります。

しかし、調停はあくまでも話し合いにすぎないので、相手が説得されてもなお、離婚を受け入れない場合(離婚したくないという場合はもちろん、条件が整わない限り離婚はしないというような場合も含みます)には、離婚することができません。

 

対処2:離婚訴訟を提起する

離婚に対して、拒否を続ける相手と離婚するための最後の手段は、離婚の裁判を起こすことです。離婚の裁判はいきなり起こすことはできず、まずは離婚調停を申し立てることが原則的に必要となります。

ただし、離婚訴訟を提起するためには、後で述べるように、法律で定められた離婚原因が存在することが必要です。

 

対処3:別居する

3番目にあげましたが、場合によってはまずは別居することが離婚への第一歩となるケースも数多く存在します。

法律上の離婚原因に当てはまらないような場合で、相手が世間体から離婚を嫌がっている場合や、自分に非がある場合(自分が不貞して、別の人と結婚したい場合など)には、とりあえず別居するのも一つの方法です。

民法752条によって、夫婦には同居義務が定められています。しかし、これは強制することができません(同居を請求する調停や審判を申し立てられることはありますが、実務上は多くありません。また、これについて強制執行することができないのです)。

そこで、一緒に生活するのが耐えられないという場合には、とりあえず別居して、離婚できる時期を待った方がいいこともあります。別居が長くなってくると、相手もその状態に慣れてきて、離婚もやむを得ないかなと気持ちが変わってくることがあります。

ただし、(特に男性には)別居中も生活費を支払う義務がありますので、注意が必要です。

 

対処4:法律相談を受ける

一番大事なことは、法律相談を受けることです。

すでに述べたように離婚を拒否する相手と無理にでも離婚するなら、裁判しかありません。裁判せずに交渉で離婚する場合でも、「もし仮に裁判になったとしたら、自分が、最後には勝てるのか?自分の言い分は正しいのか?」ということは、必ず考えておかなければならないことです。自分が最後には勝てる、どうしようもなくなったら裁判をすればいいと思えれば、相手との交渉も強気に進められます。

裁判になったら勝てないような場合には、相手の希望も取り入れながら、柔軟に交渉し、自分の望む結果を手に入れるよう努力しなければなりません。そのような見込みを聞くためにも、依頼するかどうかは別にして、法律相談だけは受けておきましょう。

 

■相手が離婚しないために無茶な条件をつけてきた場合

「離婚したいなら、慰謝料1,000万円払え」などと高額な慰謝料請求をされた、慰謝料を払わないと言われた、親権を譲らないと言われた、財産分与に応じないと言われたなど、無茶な条件をつけてきたらどうすればいいでしょうか?

これも、まずは法律相談に行くべきでしょう。そのような条件を飲まなくても、法的手続きを取れば離婚できるのであれば、さっさと離婚調停に移行した方がいいからです。もちろん、自分の一番の目標が「早期の離婚」であって、その条件を飲んでもいいと考えるのであれば、条件を飲んで離婚するのも一つの方法です。

ただし、このようなことを自己判断で行うのは危険です。自分1人で判断せずに、法律相談に行ってから判断した方がいいでしょう。

 

■相手が離婚を拒否する場合、裁判で離婚を成立させることはできるのか

法律で定められた離婚原因があれば離婚できます。
裁判で離婚が認められるためには、法律で定められた離婚原因が存在することが必要です。民法第770条第1項で、決められている離婚原因は5つです。

 

法律で定められた離婚原因

  • 配偶者に不貞な行為があったとき
  • 配偶者から悪意で遺棄されたとき
  • 配偶者の生死が3年以上明らかでないとき
  • 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき
  • その他婚姻を継続しがたい重大な事由

 

不貞行為

不貞行為とは、配偶者以外の人と性的な関係を持つことです。異性に限らず、同性の人と性的な関係をもつことも含まれます。

 

悪意の遺棄

「悪意の遺棄」とは、夫婦の同居義務・協力義務・婚姻費用分担義務のいずれかを果たさないことを言います。

 

生死が3年以上明らかでないとき

最後に生存を確認したときから3年以上、生きているのか死んでいるのかが分からない状態のときです。

 

強度の精神病

婚姻の本質である夫婦の同居・協力・扶助義務を果たすことができないほどの強度の精神病で、かつ不治の病であることが必要です。

 

その他婚姻を継続しがたい重大な事由

暴力、暴言、精神的虐待(モラハラ)、経済的虐待などいろいろな事柄が含まれます。長らく別居していて、今後、夫婦仲が改善される見込みがないと判断される場合もこれに含まれます。ただし、どのくらいの別居期間が必要かは事案によります。

相手が離婚を拒否していても、上記のような離婚原因がある場合には、裁判をすれば、離婚することができます。

 

■相手が裁判に来なかった場合

離婚訴訟を提起したけれど、相手が離婚したくないために裁判に来なかった場合には、どうなるのでしょうか。

この場合には、最終的に相手は敗訴します。つまり、あなたの言い分が認められた判決が出ることになります。

調停と違って、裁判は甘いものではありません。裁判所から呼び出しを受けているにもかかわらず、出席せずに逃げることを許せば、法治国家は成り立っていきません。そこで、民事訴訟に正当な理由もなく欠席した者は、訴状の内容を認めたとみなされて、訴えた者の言い分が認められる判決が言い渡されます。離婚訴訟では、裁判官の職権による証拠調べが行われた後に、判決が言い渡されます。

 

■まとめ

離婚をしたくないと言っている相手と自分1人で話し合って離婚するのは大変なことです。

相手に巧妙に丸め込まれて、何が正しいのか分からなくなっていく人もいます。「弁護士に頼むと高い」と思い込んで、自分1人で交渉や調停・裁判をしていると、払わなくていいお金を払うと約束してしまったり、本来ならば払ってもらえるお金を払ってもらえないことになったりするなど、弁護士費用を払う以上の損をしてしまうこともあります。

離婚には、たくさんの法的な問題点がありますから、依頼するかどうかは別にして、弁護士に相談はするべきです。

 

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