Archive for the ‘財産分与’ Category

高年収サラリーマンと離婚するときに請求すべき4つのお金

2019-08-06

高年収サラリーマンの夫を持つ奥様は、気が休まる暇がないと思います。お付き合いが多く帰りは深夜。週末も仕事三昧。疲れ果ててしまいますよね。高年収サラリーマンと結婚したものの、理想の結婚生活とは程遠く離婚を決意する奥様が少なくありません。
離婚を心に決めた女性は、早く自由の身になりたいと、離婚を急ぎがちですが、ちょっと待ってください。離婚の際は、様々なお金を請求可能です。
離婚のときにしっかりと請求しておかなければ、後から請求するのは至難の技。そこで今回は高年収サラリーマンと離婚する奥様が、請求すべき4つのお金を解説します。奥様にご負担をかけることなく請求できる方法も解説しますので、高年収サラリーマンのご主人と離婚を考えている奥様は参考にしてくださいね。

離婚のときに請求すべき4つのお金

まずは、高年収のサラリーマンに請求できる4つのお金について説明しますね。財産分与は誰でも請求可能、養育費は子どもがいる世帯、婚姻費用は別居している場合に請求可能です。慰謝料は、相手に不倫やDVなどの落ち度があれば請求できます。では具体的に確認していきましょう。

財産分与

財産分与とは、夫婦の共有財産を離婚時に分割する手続きをいいます。共有財産とは、結婚したから離婚(別居)するまでに増えた夫婦の財産です。名義を問いませんので、ご主人名義の預貯金や有価証券、不動産も分与の対象になります。
ご主人が高年収サラリーマンの場合は、給与収入が多いだけでなく、投資用物件や自社株を保有しているなど、資産が多岐に渡りますので、財産分与で請求できる金額も大きくなります。離婚を告げる前に、ご主人の財産をしっかり把握しておきましょう。

婚姻費用

婚姻費用とは、簡単に言えば別居中の生活費です。日本では夫婦は互いを扶養する義務があると民法で規定されています。離婚を前提とした別居、不仲による別居であろうともその義務は免れません。
別居開始から離婚が成立するまでの期間の婚姻費用を、収入を支えるご主人から受け取り可能です。婚姻費用は双方の話し合いによって決定しますが、話し合いで折り合いがつかなければ裁判所が公表している「算定表」を用いて、機械的に金額を決めます。婚姻費用は、双方の収入や子どもの有無などによって増減します。

  • 子どもなし、ご主人の年収1000万円、奥様専業主婦→月額14万円から16万円
  • 子どもなし、ご主人の年収1500万円、奥様専業主婦→月額20万円から22万円。
  • 1歳の子ども、ご主人の年収1000万円、奥様専業主婦→月額16万円から18万円
  • 1歳の子ども、4歳の子ども、ご主人の年収1700万円、奥様専業主婦→30万円から32万円

婚姻費用って意外と大きいですよね。婚姻費用が月額30万円で1年間別居が続けば360万円になります。

慰謝料

以下のケースでは、相手に慰謝料を請求できる可能性があります。

  • ご主人を不貞行為(性交渉等を伴った浮気)をしているorしていた
  • モラハラ行為があった
  • 生活費を渡さないなどの経済的DVがある
  • ご主人が暴力を振るう

慰謝料は、すべての離婚で請求できるのではなく、上記のような不法行為があった場合に請求可能です。ただし、慰謝料を請求するためには、これらの行為の証拠が必要になりますので、写真や動画などのデータを保存しておきましょう。

請求できる慰謝料の相場は数十万円から300万円程度と決して高額ではありませんが、悔しい思い・悲しい思いをしたのであれば、きちんとお金で償ってもらいましょう。

養育費

養育費は、未成年の子どもを引き取って育てる場合に請求できるお金です。婚姻費用と同様に、双方の話し合いで任意の金額を決定できますが、話し合いで折り合いがつかなければ、裁判所の算定表で算定します。

  • 0歳から14歳の子ども1人、ご主人の年収1000万円、奥様250万円→月額8万円から10万円
  • 0歳から14歳の子ども1人、ご主人の年収1500万円、奥様250万円→月額12万円から14万円
  • 0歳から14歳の子ども2人、ご主人の年収1300万円、奥様無収入→月額18万円から20万円

子どもの人数が多く、奥様とご主人の収入差が多ければ多いほど受け取れる養育費は多くなります。養育費は原則として子どもが成人するまで受け取れますので、総額2000万円以上になることも。
ただし、養育費を支払い続ける男性は珍しく、多くのひとり親世帯が養育費を受け取れずにいます。確実に受け取り続けるためには、離婚時にきちんと取り決めて文書化しておくことが大切です。

4つのお金を受け取ってから離婚する方法

次に、財産分与や婚姻費用などを確実に受け取る方法を解説しますね。離婚成立前に取り決めておかなければなりません。

離婚理由はなに?

まずは、なぜ離婚したいのかを考えてみてください。ご主人が浮気をしたから、暴力を振るっているからなどの明確な理由がある方も、「性格が合わないから」という漠然とした方もいらっしゃると思います。

実は、離婚を法的に認めてもらうためには「離婚事由」が必要です。双方が話し合いで離婚を成立させる場合は、どんな理由でも大丈夫。でも、話し合いで決着がつかず調停や訴訟などに発展する場合は、民法で規定された離婚事由が必要です。

  • 不貞行為
  • 悪意の遺棄
  • 3年以上生死が不明
  • 極度の精神病にかかり回復の見込みがない
  • そのほか婚姻を継続し難い重大な事由があること

これらのいづれかに該当していなければ、法的に離婚が認められません。不貞行為や悪意の遺棄などわかりやすいものがあればいいのですが、ない場合は「そのほか婚姻を継続し難い重大な事由」に該当するかどうかが重要になります。
セックスレスや、DV、モラハラなどはこちらに該当します。性格の不一致も、場合によっては認められるケースもあります。

「当てはまる離婚事由がないけど離婚したい」
「どれに当てはまるかわからない」

など、判断が難しいケースなどは弁護士にご相談ください。離婚に向けた糸口を一緒に探していきましょう。

秘密裏に証拠を集める

離婚の理由がはっきりしたら、それを証明する証拠を集めましょう。ご主人が不貞行為を働いている場合は、性交渉をもっていることが明らかになる写真や動画、音声データが有効です。モラハラやDVは、診断書や音声データ、日記などがあるとよいでしょう。

財産を徹底的に把握する

離婚時にまとまったお金を受け取り可能なのが財産分与です。財産分与を成功させるコツはご主人の財産の把握。高年収サラリーマンであるご主人は、多くの資産を保有しているはずですので、漏れがないようにしましょう。財産分与では、請求する側が財産を把握しなければならないとされていますので、奥様の調査が非常に重要です。高年収サラリーマンの奥様が把握すべき財産がこちらです。

  • 預貯金
  • 有価証券(会社の持株会の株式も対象になる可能性があります)
  • ゴルフの会員権
  • 生命保険
  • 学資保険
  • ご主人名義の不動産(投資用を含む)
  • 給与
  • 退職金

高年収サラリーマンの多くが、投資を行っていますので、手元にある現金預貯金だけでなく、投資用資産の確認も忘れないでくださいね。有価証券は、株主総会や配当などの通知が自宅に届きますので、どこの株を保有しているのかはある程度把握可能です。年初から2月にかけて、証券会社から取引報告書が届きますので、証券会社名を記録しておきましょう。

離婚の気配を察知されると、「財産隠し」をされてしまい特定が難しくなりますので、離婚を通知する前に、銀行や証券口座、不動産等を把握しておいてください。

弁護士に相談の上、離婚の意思を通知する

高年収サラリーマンとの離婚で重要なのは、「弁護士に交渉を依頼すること」です。弁護士と聞くと、「揉めた時、逮捕された時など、の緊急事態に登場するもの」というイメージがありますが、実は揉める前にご連絡いただくのがベストです。
離婚の場合は、「離婚したい」と考えた時点でご連絡ください。離婚理由を考えたり証拠を集めたりといった、難しい作業をアドバイスしながら確実にすすめられます。離婚の時に、受け取るべきお金を必ず受け取るためには、弁護士のサポートが必須です。

「相手が不貞行為をしている」、「毎晩殴られている」などの深刻な離婚事由がなくても、弁護士は困っている奥様の力になれます。離婚後の生活をスムーズにスタートできるように、お金の面だけでなく精神的な支えとなって、離婚交渉を進めますので、まずはご連絡ください。

離婚が成立するまで弁護士が交渉

離婚の諸条件を取り決め、離婚届を成立するまでのほとんどの交渉は弁護士が行います。弁護士に依頼しなければ、夫との交渉を全て自分でやらなければならないのですが、弁護士に依頼すれば一切コンタクトを取る必要はありませんので、依頼した時点で「第二の人生」がスタートするといってもいいですね。
話し合いで離婚が成立せず、調停になった場合は、家庭裁判所に行かなければなりませんが、弁護士が同行しますのでご安心ください。
きちんとお金が支払われたことを確認するまでが、弁護士の仕事です。高年収サラリーマンのご主人からきっちりお金を受け取って離婚したい方は、話がこじれる前に早い段階でご相談くださいね。

まとめ

高年収サラリーマンと離婚する場合、注意すべきは「お金」です。慰謝料や財産分与、婚姻費用、養育費を受け取り可能なので、離婚成立前にしっかりと話し合って条件を決定しておきましょう。
東京スタートアップ事務所では、ご主人が高所得・高年収の奥様からのご相談を多数いただいており、多くの奥様にご満足いただける結果を勝ち取っています。
離婚を検討している方は、「話を聞いてほしい」という気軽なお気持ちでご連絡ください。四ツ谷駅から徒歩2分の好立地の居心地のよいオフィスで、じっくり新しい人生のスタートについてお話ししましょう。

会社役員と有利な条件で離婚するための5ステップ

2019-07-25

夫婦の離婚は多かれ少なかれトラブルが生じます。そもそも問題があるから離婚することになっているので、多くの話し合いは揉めます。特にご主人が会社役員で奥様よりも高額報酬を得ている場合は、離婚の可否だけでなくお金の問題も絡むので一筋縄では解決できません。

会社役員と離婚するときは、ご自身が不利にならないように奥様はしっかりとポイントをおさえて、離婚に向けた準備をすすめましょう。本記事では、会社役員の奥様が離婚で不利な立場に陥らないための、離婚の準備について解説します。

離婚の準備1、「離婚理由の確認」

離婚するためには正当な理由です。双方が同意するのであれば、どんな理由でも構いません。寝相が悪いから、料理がまずいから、など様々な理由で離婚が可能です。

しかし、どちらかが同意しない場合は訴訟等で離婚の可否を争うことになります。民法770条では次の5つに該当する場合に限り離婚の訴えを提起することができるとしています。つまり、これらの理由がなければ離婚は認められないのです。

  • 配偶者に不貞行為があったとき
  • 配偶者から悪意の遺棄があったとき
  • 配偶者の生死が3年以上明らかでないとき
  • 配偶者が強度の精神病にかかって回復の見込みがないとき
  • そのほか婚姻を継続し難い重大な事由があるとき

この中で、特に多いのが「不貞行為」と、「そのほか婚姻を継続し難い重大な事由があるとき」です。不貞行為とは、性交渉やそれに類する行為を伴う不倫のことです。肉体関係があると客観的に立証できれば、離婚が可能です。証拠がなく、会社役員の夫が不貞行為を否定してしまえば離婚は認められません。

モラハラやDV、性格の不一致などは「そのほか婚姻を継続し難い重大な事由」に該当する可能性があります。これらも証拠が必要となりますので、離婚の意思を表明する前に確保しておきましょう。

離婚の準備2、証拠の確保

ご主人が離婚に同意しない可能性が高ければ、正当な離婚の理由とその証拠が必要になります。

  • 不貞行為の証拠
  • モラハラ行為の証拠
  • DVの証拠

これらの証拠を、ご主人に察知されないように集めてください。不貞行為の証拠は、「性交渉やそれに類する行為が行われたことが明らかであるもの」が必要となります。具体的には、ラブホテルに2人で入る写真や、性交渉中の動画や写真、などです。なければ本人の自白音声データでも構いません。

モラハラやDVは、該当する行為が行われている最中の音声データや録画データ、病院を受診した際の診断書、奥様が書かれた日記なども証拠となります。

離婚の準備3、会社役員夫の財産と収入の把握

離婚の際には、慰謝料や婚姻費用、養育費や財産分与などさまざまなお金のやりとりが生じます。そのためには、ご主人の財産や収入を正確に把握しておく必要があります。ここでは、財産や収入を正確に把握しなければならない理由と把握する方法を説明しますね。

婚姻費用・養育費・財産分与は「収入と資産」が基準となる

離婚の際に、大きなお金を受け取れる可能性があるのが、婚姻費用、養育費、財産分与です。特にご主人が会社役員であれば、高額の報酬や様々な資産の保有が想定されますので、請求可能な金額も大きくなります。

婚姻費用

婚姻費用とは別居期間中の生活費を、一家の生計を主に担っている方が、もう一方に支払うものです。ご主人が会社役員で奥様が専業主婦や収入が低い場合は、ご主人から奥様に支払います。

これは離婚を前提に話し合っている別居期間でも請求可能です。婚姻費用は、子どもの有無や人数、双方の収入などによって算定されますので、ご主人の収入が大きければ請求可能額も高くなります。

財産分与

財産分与とは、離婚時に夫婦の共有財産を原則二分の一ずつ分割する手続きです。共有財産は、夫婦の共有名義である必要はなく「結婚してから別居(離婚)するまでに夫婦の協力のもと築いた財産」であれば、どちらの名義でも分割できます。会社役員の多くは役員報酬だけでなく、高額な退職金、不動産など様々な財産を保有していますので、個人名義であればそれらが分与の対象です。

だから、離婚の準備をするときは、ご主人名義の財産の把握が非常に重要です。ご主人の離婚の意思を察知される前に預貯金だけでなく不動産や株式などをきちんと特定しておかなければ、財産を隠されてしまい財産分与の対象となる財産が減ってしまうからです。

養育費

離婚後も子どもが成人するまでの生活費や教育費用などを養育費として、子どもを育てていない親が支払う必要があります。養育費も、双方の収入を基準に計算されますので、ご主人の収入をきちんと把握しておかなければなりません。会社役員の場合、役員報酬以外の収入があることもあり、奥様が全てを把握していない可能性があります。まずは、ご主人のすべての収入源を確認しましょう。

財産や収入の特定方法

ご主人の財産や収入を特定するためには、奥様の秘密裏の情報収拾が必須です。給与等が振り込まれる口座や、収入源の把握。そしてご主人名義のすべての財産を明らかにしましょう。特定するためには下記の書類等を確認してください。

  • 金融機関からの郵送物、メールや電話連絡
  • 区役所等からの納税通知書
  • 企業からの株主総会の招集通知
  • 確定申告書
  • 給与明細書

婚姻費用や養育費の算定基準は、収入なのですべての収入源を把握するよう努めてください。会社役員の場合は、複数の企業の役員になっているケースや、保有する不動産の管理会社の役員になって給与を受け取っているケースなどが想定されます。

また、財産分与の際にはご主人名義のすべての財産を特定しておかなければ、分与される財産が減ってしまいますので、離婚のお話を進める前に調査することが大切です。

金融機関が特定できれば、資産額がわからなくても弁護士や裁判所による照会で残高を確認できる可能性があります。通帳などが見当たらなくても、どこの銀行のどの支店に口座があるかがわかっていれば手続きは比較的容易になります。

ステップ4、弁護士に相談する

離婚の意思を夫に相談する前に弁護士に相談してください。なぜならば、会社役員のご主人は必ず、弁護士とのパイプがあり、奥様が離婚の話を切り出したら弁護士に相談して自分が有利になるように話を進める危険性があるからです。

また、財産分与を少なくするために財産を隠すこともあります。財産分与の分割割合は原則二分の一ですが、奥様の貢献度の低さを主張して、二分の一以下の分割割合を求めてくる可能性もあります。

相手が、弁護士に相談して、有利な状況を作り出す前に奥様が弁護士に相談をして、万全の体制で離婚の手続きに臨まなければならないのです。ステップ1から順番にお話ししましたが、もし、手続きに不安があるなら離婚を検討した段階で、弁護士に相談することを強くおすすめします。

離婚原因の明確化、証拠の確保や財産・収入の特定に至るまで的確なアドバイスが可能です。

ステップ5、離婚の意思の通知or別居

離婚の意思を相手に伝えるのは、離婚準備の最終段階のようでスタートです。ここから本当の戦いが始まります。とはいっても弁護に依頼する場合は、夫のとの交渉は奥様が行う必要はありません。

離婚成立までの流れはこちらです。

相手に離婚を申し出る

話し合い→合意→協議離婚

決裂

調停→成立→調停離婚

成立せず

裁判

多くの方は話し合いまではご自身で対応し、話し合いがうまくいかないと弁護士に依頼します。通常のサラリーマン夫婦であればそれでも大きな経済的な不利益はありませんが、ご主人が会社役員のように高収入や資産家の場合は、お金のやりとりの面で損をしてしまいます。

会社役員の男性の多くは離婚問題が生じるとすぐに弁護士に依頼して不利にならないように策を講じるからです。特に財産分与と養育費は請求可能な金額が大きいため、財産隠しや一時的な役員報酬の減額などで、奥様に渡す金額を減らそうと画策しがちです。

そうさせないためにも、奥様はご主人に察知される前に弁護士に相談して、対策を講じましょう。

まとめ

会社役員との離婚は、「先手必勝」ですご主人に離婚の意思を察知される前に、財産の特定や収入の把握などに取り組み、有利な条件で離婚成立を目指しましょう。離婚交渉をスムーズかつ有利に進めるためには、早い段階での弁護士の依頼が必須です。離婚を思い立った段階で一度相談して、奥様が取るべき行動をアドバイスしてもらいましょう。東京スタートアップ法律事務所は、都内各地からのアクセス良好なJR四ツ谷駅から徒歩二分の好立地ですので、お気軽にご予約ください。
奥様のお話をしっかり伺った上で、奥様の状況にぴったりなアドバイスをいたします。

夫は会社経営者!どうやったら離婚を有利に進められる?気をつけるべきことは?

2019-07-20

離婚の理由はなんであれ、離婚の際にきっちりカタをつけなければならないことがあります。「お金の問題」です。特に、会社を経営されている奥様の場合、財産分与や婚姻費用などで多額のお金や資産の受取りが可能になるケースがあります。

特に会社の代表であるご主人、複数の法人を保有しているご主人は様々なパターンで財産を可能性があるので、奥様も法的知識で武装して挑まなければ、受け取るべきお金を受け取れずに離婚が成立してしまうかもしれません。そこで、今回は千代田区の弁護士が経営者のご主人と離婚する奥様のために、離婚を有利に進める方法や注意点などを解説します。

ご主人に離婚を告げる前に本記事を読んで、不利な状況にならないように対策を講じましょう。

離婚は自由だけど相手が認めなければ調停や訴訟に

離婚自体は、本人同士が合意していればどんな理由でも可能です。しかし、いくら奥様が離婚したいと言ってもご主人が同意しない場合は、調停や訴訟などで離婚の可否を話し合うことになります。訴訟などの法的手段を講じて離婚を争う場合は下記のような理由が必要です。

  • 配偶者の不貞行為
  • 配偶者による悪意の遺棄
  • 配偶者の生死が3年以上不明
  • 配偶者が重度の精神疾患にかかった
  • その他婚姻を継続し難い重大な事由

 

これらのいずれかに該当すれば訴訟でも離婚が認められます。離婚の理由として多いものは不貞行為とその他婚姻を継続し難い重大な自由の2つです。不貞行為とは、奥様以外の女性や男性との性交渉やそれに類する行為のことです。デートやキスだけなどは不貞行為とはみなされませんので、訴訟等では離婚が認められることはありません。

性格の不一致や暴力、モラハラなどは「その他婚姻を継続し難い重大な事由」に該当します。性格の不一致はケースバイケースで判断され、暴力やモラハラなどは証拠が重要になりますので、これらの理由で離婚を考えている方は、離婚を検討している時点で弁護士に相談してください。

会社経営者と離婚するときに請求すべき4つのお金

離婚の際は、慰謝料や財産分与、婚姻費用や慰謝料など様々なお金を相手に請求可能です。ご主人が不貞行為をした、DVがあったなどのケースで慰謝料を請求できることは知られていますが、それ以外にも請求可能なお金はあります。むしろご主人が会社経営者の場合は、慰謝料より財産分与や婚姻費用、養育費などのほうが請求可能な金額が大きいでしょう。

まずは簡単に離婚時に請求可能な4種類のお金を説明します。

 

・慰謝料

ご主人が不貞行為やモラハラ、DVなどの行為をした場合に請求可能です。金額は双方の収入によって増減せず、不貞行為の期間やモラハラなどの悪質度によって判断されます。

・財産分与

財産分与とは、夫婦の共有財産を離婚時に分割することをいいます。共有財産とは結婚してから別居するまでに構築した財産です。双方の収入の割合にかかわらず原則として二分の一ずつ分割します。ご主人が会社経営者の場合の財産分与は通常よりも複雑ですので、のちほど詳しく説明しますね。

・婚姻費用

婚姻費用は、離婚前の別居期間の生活費を、家計を担う側が支払うものです。会社経営者のご主人と専業主婦の奥様の場合は、ご主人から奥様に支払います。具体的な婚姻費用の相場については後ほど詳しく説明しますね。

・養育費

養育費は、未成年の子どもを育てる親に、育てていない親から支払われるお金です。子どもの生活や教育のために充てられるもので、支払いを拒否することはできません。会社を経営しているご主人と専業主婦の奥様で子どもを奥様の元で育てる場合は、ご主人から奥様に養育費が支払われます。金額は、双方の収入や子どもの人数によって増減しますので、詳しい相場については後ほど説明します。

 

会社経営者に請求可能な婚姻費用と養育費の相場は?

 

離婚するまでの別居期間の生活費として請求する婚姻費用と、子どもが成人するための生活や教育費となる養育費。それぞれ話し合いで任意の金額を請求することができますが、話し合いで合意できなければ、調停や訴訟で争うことになります。その際は、裁判所が公表している「算定表」を基準に、婚姻費用や養育費の月額が、決まります。

ここでは、奥様の「一体毎月いくらもらえるの?」という疑問にお答えするため、算定表に基づく婚姻費用や養育費の相場をご紹介します。

  • 婚姻費用の相場

婚姻費用は、子どもの有無に関わらず、別居期間は請求可能です。婚姻費用を決める要素は「子どもの有無」、「子どもの年齢」、「子どもの人数」、「双方の収入」です。では具体的な事例で確認してみましょう。

・子どもなし、夫年収1500万円、妻年収0円の場合:月額20万円から22万円

・子どもなし、夫年収2000万円、妻年収0円の場合;月額26万円から28万円

・3歳の子ども1人、夫年収1500万円、妻年収0円の場合:月額24万円から26万円

・3歳の子ども1人、夫年収2000万円、妻の年収0円の場合:月額32万円から34万円

  • 養育費の相場

養育費は未成年の子どもを育てている親に、離れて暮らす親が支払うものです。ご主人が経営者で奥様が専業主婦、離婚後は奥様が子どもを育てていればご主人から奥様に支払われます。養育費も婚姻費用と同様に、子どもの年齢、人数、双方の収入によって決められます。早速具体的な金額を確認してみましょう。

子どもの年齢 人数 ご主人の収入 奥様の収入 月額養育費
0歳から14歳 1人 1500万円 0円 14万円から16万円
0歳から14歳 2人

1500万円

0円 22万円から24万円
0歳から14歳 1人 2000万円 0円 18円から20 万円
0歳から14歳 2人 2000万円 0円 28万円から30万円

婚姻費用や養育費を決める重要な指標が「夫の年収」です。特に会社経営者は、法人を複数保有していたり、不動産収入があったりと収入源が多岐に渡っており、それらを合算しなければ正確な収入がわかりません。相場を見てわかる通り収入が増えれば増えるほど、受け取れる婚姻費用や養育費が増額しますので、離婚の話し合いに臨む前にご主人の収入を正確に把握しておきましょう。

 

経営者妻が最も気をつけるべきなのは「財産分与」

経営者妻が、離婚の際に念入りに準備なければならないのは「財産分与」です。財産分与では婚姻期間中に築いた財産を夫婦で分割します。会社を経営している男性は、婚姻期間中でもどんどん資産を増やしていることが多く、財産分与の対象財産も高額になります。分割割合は原則二分の一ですので、資産が1億円あれば、奥様も5000万円受け取れる計算になりますね。だから、正確にご主人の共有財産を把握しておくことが大切です。

(1)財産分与の対象になる財産

財産分与の対象となる代表的なものがこちら。

  • 現金
  • 預貯金
  • 有価証券(未上場株を含む)
  • 不動産
  • 給与
  • 退職金
  • 生命保険
  • 子どもの学資保険

これらのうち、それぞれが独身時代から保有していたものや、贈与、相続された財産は除外されます。

(2)別居前の財産特定が重要

財産分与の対象となる財産は、請求する側が特定しなければなりません。もちろんご主人が自主的に財産をすべて開示してくれればいいのですが、往往にして高額資産をお持ちの方は財産を隠してしまいます。

そうならないためには、離婚を切り出す前に財産を把握しなければなりません。どの資産も、隠されてしまうと特定するのが難しいので、秘密裏にご主人名義の資産を特定してください。銀行や証券会社からの郵送物、区役所等から送られてくる固定資産税の納税通知書、などが財産を特定するときに役立ちます。

また共用パソコンがある場合は、ご主人宛のメールも確認しておきましょう。インターネット銀行や証券会社からの連絡が来ているかもしれません。

預貯金等の金額がわからなくても、預けられている場所を把握できれば、弁護士が「弁護士会照会」を行い、開示請求が可能になります。

(3)法人名義の資産の分割はできない

ご主人が経営している法人や、法人名義の資産は財産分与の対象外です。ごくまれに、夫婦の協力のもと築いた法人の資産等を財産分与の対象とすることもありますが、実務上はほとんど対象にはされません。

ただし、未上場、未公開株であっても法人名義の株をご主人が保有している場合は、財産分与の対象となります。保有したのが婚姻後で、相続などでない限り、分割可能です。

 

会社経営者と離婚するときは弁護士必須

ある程度の規模の会社を経営していれば、すぐに相談できる弁護士とのパイプが構築されていることが多く、離婚を話し合う際は、弁護士が代理人になると想定できます。弁護士との離婚交渉は、奥様が財産分与だけでなく様々な面で不利になる危険性があり、おすすめできません。

財産分与はご主人が経営者で奥様であっても原則二分の一とお話ししました。しかし、財産を増やすための寄与度や貢献度などを考慮して、二分の一以外の割合になることもあります。ご主人側に弁護士が登場した場合は、二分の一以下での分与割合を主張する可能性があり、奥様は不利な立場に立たされてしまいます。

対抗するためには、奥様もいち早く弁護士に相談しなければなりません。できれば同居している段階で相談して、財産分与対象となる財産の特定の助言を仰ぎましょう。きちんと財産分与に向けた準備を進めた上で別居するなどの工夫が必要です。

また、慰謝料や養育費、婚姻費用についても未払いにならないように弁護士対応を依頼したほうがよいでしょう。特に養育費は多くのひとり親世帯で未払いになっています。離婚時に公正証書を作成するなどして、支払いを拒否されないように手続きしておくことが大切です。

 

まとめ

会社経営者のご主人と離婚する際のポイントは「財産分与」です。財産隠しをされる前に財産を特定しておくことが大切。また、婚姻費用や養育費の算定根拠となるため、収入も正確に把握しておかなければなりません。

会社経営者のご主人と離婚を考えている奥様は、離婚の気配を察知される前に一度弁護士にご相談ください。奥様が不利にならないように、スムーズに新生活をスタートできるようにアドバイスいたします。東京スタートアップ法律事務所はJR四ツ谷駅から徒歩2分の好立地。新宿などの都心からのアクセスも良好なので、お気軽にご予約くださいね。

医師の夫と離婚するときに請求できるお金は?離婚の手順と請求方法を解説

2019-07-18

離婚は結婚の数倍エネルギーが必要です。特に資産や収入が多いお医者様との離婚は、やりとりするお金が多くなるためもめやすい傾向にあります。そこで、本記事ではご主人の浮気や性格の不一致、モラハラやDVなど様々な理由で、離婚を考えている奥様のために、離婚する方法や離婚の際に請求すべきお金のこと、確実に離婚を成立させるための手段などを解説します。請求できる婚姻費用や養育費の相場も説明しますので、新生活をスタートする際の参考にしてくださいね。

医師の夫と離婚したい!離婚できる条件とは

離婚は当人同士さえ同意していれば、どんな理由でも可能です。しかし、片方が同意していない場合は、離婚の是非を調停や訴訟で争うことになるため、正当な理由が必要になります。実は、民法に離婚が認められる5つの条件が明記されていますので、確認してみましょう。

  • 配偶者に不貞な行為があったとき
  • 配偶者に悪意で遺棄されたとき
  • 配偶者の生死が三年以上明らかでないとき
  • 配偶者が重度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき
  • その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき

これだけではわかりづらいので、医師の奥様が離婚を考えやすい理由を中心に詳しく説明します。

・配偶者の不貞行為
多くの夫婦が離婚を考える理由の一つが、相手の不貞行為です。不貞行為とは性交渉を伴った浮気のことで、証拠を確保しておけば離婚が認められます。キスや手を繋ぐだけ、食事だけなどでは不貞行為とはみなされず裁判になった際は、離婚することはできません。ご主人の浮気が原因で離婚を検討している方は、性交渉をもっていることが明らかな証拠を確保しておかなければなりません。

・配偶者の悪意の遺棄
悪意の遺棄とは、夫婦の相互扶助の義務をわざと果たしていないことをいいます。具体的には、生活費を渡さない、などです。ご主人が医師できちんとした収入があるにも関わらず、生活に必要なお金を渡されていないケースが悪意の遺棄と言えます。

・配偶者の生死が三年以上不明
行方不明等で、連絡がつかず生きているか死んでいるかもわからない状態が三年以上続くと離婚が認められる可能性があります。

・配偶者が重度の精神病
重度の精神病と診断されて、日常生活を営むことが難しいときは離婚が認められる可能性があります。

・その他婚姻を継続し難い事由
性格の不一致や、モラハラ、DVなどはこちらに該当します。ただし全ての性格の不一致等が離婚の理由として認められるわけではなく、個別の事情を考慮して判断されます。モラハラやDVなどを理由に離婚を求める場合は、それらの客観的な証拠が必要です。

これらの理由に当てはままるものがあるときは、ご主人が離婚に同意しなくても訴訟等で離婚が認められる可能性があります。どれにも該当しないけど、離婚を真剣に検討しているという方は、弁護士への相談をおすすめします。ご自身が気付かない理由が隠れているかもしれませんし、別居期間をとるなどして、離婚に向けたステップを進められる可能性もあります。

離婚の時にもらえる4つのお金

離婚するときは、様々なお金のやりとりが発生します。特に相手が医師などの高収入職業の場合、動くお金が大きくなるので慎重な立ち回りが必要です。離婚のお金といえば慰謝料を想定することが多いですが、実は慰謝料はほんの一部。さっそく離婚の時にご主人から受け取ることができる4つのお金を説明しますね。

・慰謝料
慰謝料は、ご主人の不貞行為やモラハラ、DVなどの不法行為があった時に認められるものです。性格の不一致や双方に離婚の原因がある時には、支払いが認められることはありません。ただし、訴訟ではなく任意の話し合いでご主人が自主的に慰謝料の支払いに応じるのであれば、理由を問わず受け取り可能です。

慰謝料の金額は、双方の収入に応じて決められるのではなく、不貞行為の頻度や期間、などを考慮して過去の判例に準拠する形で判断されます。ご主人が医師で高収入の場合は、高額な慰謝料を想定しがちですが、収入の多寡によって増減することはほぼありません。

とはいえ、不貞行為等があったのであれば請求可能なので、証拠を集めておきましょう。

・婚姻費用
婚姻費用とは、結婚生活を維持するために必要な費用です。具体的には、別居期間の妻の生活費を言います。夫婦はともに扶養する義務があり、別居期間中であってもその義務は免れません。原則として収入が多い方が、少ない方の生活資金を支払います。離婚を前提に別居している場合でも、婚姻費用は請求可能で、別居してから離婚が成立するまでの期間請求可能です。婚姻費用は、裁判所が公表している「算定表」によって計算されます。

ご主人が勤務医や法人を設立している開業医などで、年収が2000万円、奥様が無収入の場合の月額婚姻費用は26万円から28円です。0歳から14歳までのお子様が2人いらっしゃる場合は月額36万円から38万円。別居期間が半年続いただけで228万円になります。

・財産分与

財産分与とは、結婚してから別居するまでの期間に構築した夫婦の共有財産を分割する手続きです。共有財産とは、結婚してから増えた夫婦の財産を言い、名義は問いません。ご主人名義の預貯金や不動産、有価証券などはすべて分割対象になります。また、奥様の収入に関係なく、二分の一に分割されることがほとんどです。

つまり、共有財産が5000万円あれば離婚時に2500万円受け取れる可能性があるのです。財産分与こそ、医師のご主人との離婚の際に最も重視すべき項目と言えます。勤務医、開業医問わず豊富な資産をお持ちなので、財産分与で奥様が不利にならないように離婚を検討している段階で、弁護士に相談しましょう。離婚の気配を察知されると、財産分与を避けるために財産を隠してしまう可能性があります。

・養育費
養育費とは、子どもがいる場合に請求できる子どもの生活費です。養育費の支払いは、義務なので離婚の理由を問わずに、受け取り可能。養育費も婚姻費用と同様に裁判所の「算定表」によって計算されます。ご主人の年収が2000万円、奥様が無収入で0歳から14歳までの子どもが2人いる場合は月額28万円から30万円になります。

養育費は一般的には子どもが成長するまで支払うものとされており、月額払い、一括払いなど事前に決められた回数や方法に応じて支払われます。

これら4つが離婚の際に必ず話し合わなければならないお金です。慰謝料は証拠を集めて請求しなければ自主的に受け取れるものではありません。財産分与は、離婚前にきちんとご主人の資産を把握しておかなければ財産隠しなどで不利益を被る可能性があります。お金で不利な立場にならないためには、離婚を検討している段階での弁護士への相談が重要です。ちなみに、裁判所の算定表の上限は「年収2000万円」です。ご主人の年収がこれを超える場合は計算が複雑になりますので、まずは弁護士に相談してください。

医療法人は?退職金は?医師会年金は?医師の奥様が気になる財産分与

ご主人が医師の場合、通常のサラリーマン家庭よりも財産分与は複雑になります。ここでは、医師独特の財産分与等について説明しますね。

・医療法人は分割できない
ご主人が開業医で、医療法人を設立して病院を経営している場合、法人名義の財産は、分割することができません。しかし、法人の株をご主人が保有していれば株は財産分与の対象になります。

・将来受け取る退職金はケースバイケース
すでに支給されている退職金は財産分与の対象です。また、将来受け取る見込みがある退職金も財産分与可能です。ただし、ご主人の年齢が若く、退職金の受け取りが確実と言えない場合は、認められないケースもあります。状況によって異なりますので、弁護士などの専門家に相談しましょう。

・医師年金は脱退一時金を分割
年金も離婚時には分割可能です。厚生年金に加入しているのであれば3号分割という手続きを行うことでで、自動的に年金を分割可能です。

また医師は、医師会年金という年金制度に加入していることがあり、これは年金分割の対象となります。医師会年金の分割は、離婚時の「脱退一時金」を基準に判断されます。

医師の夫と円満に離婚を成立させる方法

医師の夫との離婚をスムーズに進めるには「離婚の原因を明確にすること」と、「財産を把握しておくこと」が大切です。

離婚がうまくいかない原因は様々ですが、多くの夫婦が離婚するかどうかで争います。その際は離婚が認められる理由があるかどうかが重要になりますので、不貞行為やモラハラがある場合は証拠を確保しておかなければなりません。

また、財産分与の際にご主人が財産を隠してしまい奥様が受け取るべき財産を受け取れなくなってしまうケースがありますので、ひっそりと財産を把握すべく調査を行いましょう。

これらの手続きをスムーズに進めるためには、弁護士への相談が近道であると考えます。

弁護士であれば、離婚の理由や証拠、正当な財産分与に向けてのお手伝いが可能です。

まとめ

医師のご主人との離婚となると、奥様の将来の生活が心配になりますが、ご主人に一定の収入があれば新生活をスタートするためのまとまったお金を手に入れることも不可能ではありません。

受け取るべきお金をきちんと請求するためには専門家のサポートが必須なので、まずは弁護士にご連絡ください。東京スタートアップでは、離婚問題の解決に力を入れており、離婚を考えている方の相談を広く受け付けています。皆様の心に寄り添える経験豊富な弁護士が在籍していますので、お気軽にご相談くださいね。

主人のモラハラがひどい!離婚できる?慰謝料請求は?

2019-04-10

「お前みたいな頭が悪い女は俺が結婚してやらなければ生きていけなかった」

こんな発言を日々繰り返すモラハラ夫。モラハラ夫と生活を共にしている奥様は、徐々に追い詰められていき、いつの間にかモラハラ夫の思考に侵食されてまともな考え方ができなくなってしまいます。体の暴力であれば、周囲からの支援も得られやすいですが、モラハラは理解されづらく一人で抱え込んで、取り返しのつかないことになる可能性がある非常に深刻な問題です。

ご主人の言葉の暴力に悩んでいる方、威圧的な態度や発言に怯えている方は、「自分も悪いから」とご自身を責めて我慢してしまいがちですが、我慢する必要はありません。モラハラを理由に離婚して、慰謝料を受け取り、新しい人生を歩き出すことも可能です。離婚の際には、結婚期間中に増えた財産も原則二分の一ずつ分割することもできます。

今回は、モラハラ夫と離婚する方法や、離婚時に受け取ることができるお金のことをわかりやすく解説します。ご主人の言動に悩んでいる方はぜひ読み進めて、ご自身の将来について前向きに考えてみましょう。

モラハラ夫と離婚する方法

日本で離婚する方法は「協議離婚」、「調停離婚」、「裁判離婚」、「審判離婚」の4種類です。協議離婚では、双方の話し合いで離婚の条件などを決定します。平成20年の厚生労働省の統計によると、87.8%が「協議離婚」で離婚しています。ここでは、協議離婚とそれ以外の離婚にわけて、モラハラ夫と離婚する方法を説明しますね。

話し合い(協議離婚)でモラハラ夫と離婚する方法

協議離婚の場合は、離婚理由は問われませんので、双方が納得さえすれば、どんな理由でも離婚可能です。もちろん、夫のモラハラが原因でも夫が認めさえすれば離婚できます。

ただし、モラハラ夫の多くは「絶対に離婚しない」と主張して、当事者同士の話し合いは難航しますし、話し合いの最中にモラハラ行為がエスカレートして暴力を振るいかねないので、弁護士に交渉を一任することを強くおすすめします。

調停・裁判でモラハラ夫と離婚する方法

日本では、離婚については裁判の前に調停を行わなければならないと規定されているので、話し合いで決着がつかなければ調停を申し立てます。調停でも合意に至らなければ、審判や裁判に移行します。

これらの法的手続きによって離婚する場合は「離婚が認められる理由」が必要です。離婚が認められる理由って、実は「民法」に明記されているんです。それがこちら。

民法770条

  • 配偶者に不貞な行為があったとき
  • 配偶者から悪意で遺棄されたとき
  • 配偶者の生死が3年以上明らかでないとき
  • 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき
  • その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき

 

こちらのどれかに離婚の理由が該当しなければ、調停や裁判では離婚が認められません。モラハラの場合はこの中の5番目、「婚姻を継続し難い重大な事由がある」に該当するかどうかが争われます。

モラハラが婚姻を継続し難い重大な事由と認められるためには、モラハラ行為を客観的に証明できる証拠が必要です。動画や録音などのデータ、もしくは奥様が毎日書いている日記なども証拠になります。モラハラが離婚事由として認められるためには、「証拠集め」が重要なので、夫に気づかれる前に証拠をあつめておきましょう。

モラハラ夫に慰謝料は請求できる?慰謝料の相場は?

夫からモラハラを受けたことが事実と認められれば、慰謝料を請求することは可能です。ただし、証拠があることが絶対条件。

モラハラの内容や期間などの記録、モラハラによって通院することになった場合はその診断書や支払った治療費などの明細も用意しておきましょう。

モラハラの証拠が何もない場合は、ご自身でつけている日記などの記録でも大丈夫です。それもないという方は、早めに弁護士にご相談ください。証拠を集める方法やあなたの状況に最適な証拠について、的確にアドバイスいたします。

モラハラで離婚する場合の慰謝料は、ケースによって異なりますので断定はできませんが、50万円から300万円におさまる事例が多いでしょう。モラハラの度合いや受けていた期間、そしてモラハラによる通院の有無などによって、慰謝料は上下します。

「私はいくらもらえるの?」という方は弁護士に相談して、あなたの状況で請求可能な慰謝料を確認してみるとよいでしょう。

モラハラ慰謝料の請求手順

次にモラハラの慰謝料の請求手順を解説します。モラハラの慰謝料を請求する場合は、離婚とセットで話を進めなければなりません。

証拠集め

モラハラで離婚、慰謝料請求をする場合は、証拠が重要だと何度もお話ししてきました。確実に慰謝料を受け取るためには、確実な証拠が必要です。モラハラ行為の音声データや動画、日記などの記録など、モラハラ行為の頻度や度合いがわかるものはなんでもいいので保存しておいてください。証拠集めのポイントは「バレないように行うこと」です。

モラハラ夫にバレてしまうと、離婚の計画が台無しになってしまうので慎重に行動しましょう。どうすればいいかわからない、怖くて何もできないという方は一刻も早く弁護士に相談してくださいね。

夫に離婚の切り出し&慰謝料請求→弁護士に依頼がベスト

離婚は、まず話し合いで交渉しますので、証拠を集め終えた段階で夫に離婚話と慰謝料請求の意思を切り出しましょう。ただし、相手はモラハラ夫なのでスムーズにイエスという可能性は非常に低いです。奥様の身に危険が生じる可能性もありますので、自信がない方、モラハラの度合いが大きいと感じる方は、躊躇せず夫に切り出す前に弁護士に相談しましょう。

弁護士に相談することで奥様は夫と話す必要はなくなり、夫婦関係のストレスから解放されますし、慰謝料の請求に成功する可能性も高まります。弁護士に丸投げしてモラハラ夫と別居すれば、あなたの生活が脅かされることはありません。早く自由と、怯えずにのびのびと暮らす生活を手に入れてください。夫の顔色を気にすることなく好きなことができる生活って最高ですよ。

モラハラ離婚で慰謝料以外に受け取り可能なお金とは?

「こんなに酷い目に遭い続けてきたのに慰謝料がたったの100万円!?」と嘆く奥様が少なくありませんが、ご安心ください。離婚の際には慰謝料以外にも奥様が受け取り可能なお金があります。ここでは、離婚時に奥様が受け取り可能なお金についてお話ししますね。

財産分与

財産分与とは、離婚の際、もしくは別居の際に夫婦の「共有財産」を分割する手続きです。共有財産とは、結婚してから離婚もしくは別居するまでに築いた夫婦の財産のこと。

具体的には、現金や預貯金、退職金や不動産、車や家財道具などです。これらの財産の名義は問わず、離婚時に分割できます。分割割合は、奥様が専業主婦でも原則として二分の一です。

つまり、モラハラ夫が結婚後に購入した不動産や増えたお金などは、奥様も二分の一を受け取る権利があるのです。慰謝料よりも、財産分与の方が高額になることが少なくありませんので、モラハラ夫が資産家、高収入という奥様はご自身で交渉せずに弁護士に交渉を一任して、より有利な財産分与を勝ち取るべきです。

婚姻費用

婚姻費用とは、夫から妻、もしくは妻から夫に支払うべき生活を維持するために必要なお金です。奥様が専業主婦の場合は、ご主人が奥様に支払わなければなりません。同居している期間は、生活費などを渡されているかと思いますが、別居してからも生活費等を受け取る権利があります。

つまり、モラハラ夫と別居して離婚が成立するまでの間の婚姻費用を請求可能なのです。こちらも、財産分与と合わせて請求しましょう。

養育費

お子様がいらっしゃる場合は、離婚成立後もお子様が成人するまでの期間の養育費を受け取ることができます。養育費の支払いは、子供と離れて暮らす親の義務です。

養育費の金額は、子どもの年齢や人数、双方の収入によって決められます。多くは裁判所が公表している「算定表」に基づいて決定されます。

モラハラ夫の年収が高く、奥様が専業主婦で、お子様が2人いる場合は月額20万円以上の養育費を請求することも可能です。

財産分与、婚姻費用、養育費の3つを合計するとまとまったお金を受け取ることができそうですね。慰謝料だけでなくこれらのお金をきちんと受け取るためには、離婚前になるべく早い段階で弁護士に相談することが大切です。

まとめ

モラハラ夫と離婚するためには、重要なのは「証拠集め」と、「弁護士に依頼すること」です。証拠がなければ離婚も認められませんし、慰謝料の請求も難しくなります。また、慰謝料以外にも財産分与や養育費、婚姻費用などの様々なお金を請求可能なので、弁護士に依頼して受け取るべきお金をしっかり請求する必要があります。

弁護士に交渉を一任して、別居すればモラハラ夫に怯えて暮らす日々から解放され、あなたはモラハラ夫とお話をする必要はありません。相手が資産を持っていれば、慰謝料だけでなく財産分与などでまとまったお金を受け取ることができます。モラハラ夫との離婚を考えている方は、一人で悩まずにまずは弁護士に相談してくださいね。ご依頼いただいた段階で、モラハラ夫との関わりを断つことができますよ。

夫の浮気!慰謝料の相場はせいぜい300万円って本当?

2019-03-22

「夫が浮気したから慰謝料1000万円請求したい!!!」

四ツ谷のオフィスにはこんな電話がしょっちゅうかかってきます。ご主人に資産がある奥様は、「こらしめてやりたい」と、高額な慰謝料を請求したいと考えがちです。

だから「慰謝料って相場があるからご主人の収入が高くても、もらえる額は増えないんですよ」ってお話しすると、みなさん憤慨します。

「こんなに悲しくて悔しい思いをしているのにたった300万円じゃ納得できないわよ!」

本当にその通り。

でも、離婚の際にもらえるお金は慰謝料だけとは限りません。財産分与やお子さんがいる場合は養育費などでお金を受け取ることができます。そこで、今回は慰謝料の相場や慰謝料を受け取ることができるケース、そして慰謝料以外に請求できるお金についてお話ししたいと思います。

慰謝料とは?請求できるケースとできないケース

「離婚したらどんな場合でも慰謝料を請求できる」と考えている方がいらしゃいますが、実は離婚の際に慰謝料を請求できるケースは限られています。具体的なケースがこちらです。

  • 相手に不貞行為がある場合
  • 相手が暴力をふるっていた場合

これ以外のケースでは慰謝料の請求は難しいでしょう。モラハラやパワハラなどで離婚する場合も慰謝料を請求したくなりますが、モラハラなどが毎日継続していた証拠、録画や録音などが必要になるので、現実的には厳しいでしょう。

不貞行為や暴力の場合も、「証拠」が必要です。不貞行為の場合は、相手とラブホテルに入る写真など、性交渉があったことが確実な証拠、暴力の場合は写真や診断書ですね。不貞行為の場合は、性交渉やそれに類する行為があることが前提です。

二人でご飯を食べた、手を繋いだ、キスをした、などは「不貞行為」とはみなされないので、性交渉が明らかな証拠が必要です

これらの証拠があれば、離婚の際に慰謝料を請求可能。

「主人は絶対不倫してるのに、証拠がないのよ!証拠がなければ、慰謝料は請求できないの??」

確かに、証拠がなければ慰謝料の請求は難しいですが、現時点で証拠がなくても証拠を集めればいいんです。不倫していることが明らかであれば、相手と会っていると思われる日に探偵に依頼するなどして、証拠を確保可能です。

写真などの証拠の確保が難しくても、相手が不倫を認める発言をさせて、それを録音すれば証拠になりますね。不貞行為をしていることが確実であればなにかしらの証拠は残っているはずなので、相談いただければ、証拠探しからお手伝いいたします。

不貞行為の慰謝料の相場とは?

そもそも、慰謝料とは相手の不法行為によってうけた精神的苦痛を補償するものです。だから、相手の収入によって慰謝料は上下することはほとんどありません。

同じように不貞行為で苦痛を感じたのに、ご主人の資産によって慰謝料が増減すると、不公平ですよね。裁判所では、収入によって慰謝料をかえることはないんです

その代わり、不倫の期間や回数によって、慰謝料を決定します。相場は100万円から300万円。不倫相手との付き合っている期間が長ければ慰謝料は高くなりますし、短い、もしくは1回だけとなると慰謝料は低額です。

慰謝料以外に「財産分与」と「養育費」でお金を請求できる

相手が不倫をした場合「慰謝料」をたっぷりと考える方が多いですが、先ほどお話ししたように慰謝料として請求できる金額はせいぜい300万円です。

「たったそれだけじゃ納得できない!」

大丈夫です。ご主人に資産があれば離婚の際に財産分与で分割可能です。お子さんがいるのであれば、養育費をお子さんが成人するまで受け取ることができます。実務上では、慰謝料よりも財産分与や養育費で受け取るお金の方が高額です。そこで、財産分与と養育費についてくわしく説明していきます。

財産分与で資産を2分の1受け取ることができる

財産分与とは、離婚の際に「結婚期間中に築いた夫婦の共有財産」を原則2分の1ずつわけることを言います。奥さまが専業主婦でも正社員でも2分の1受け取ることができます。財産の名義がご主人になっていても問題あありません。

財産分与の対象となるのは、現金や預貯金、有価証券、不動産、車、家具、退職金、給与などありとあらゆる財産です。

ただし、独身時代に貯めたお金や購入したもの、結婚期間中でも親や親戚などから贈与を受けた財産は対象外なのでご注意ください。

例えばご主人が、上場企業に勤務していて報酬の一環としてストックオプションで自社株を保有している場合は、それも財産分与の対象になります。結婚してからローンを組んで購入したマンションや投資用物件・収益物件も財産分与の対象です。

財産分与の対象になる資産が5000万円の場合は2500万円を受け取り可能。慰謝料よりも非常に高額ですよね。ただし、資産を持っている方は財産分与の際に「財産隠し」をすることが多いので、離婚の気配を気取られる前に、どんな資産があるかをしらべておきましょう。

養育費は、「ご主人と奥さまの収入」によって増減する

慰謝料は、不貞行為をした本人の収入によって増減することはほとんどありませんが、養育費は、お子さまを扶養する奥さまと、ご主人の収入によって変わります。

例えば、ご主人の収入が2000万円、奥様が0円、3歳と7歳のお子様がいる場合の養育費の月額は最大28万円です。

日本の養育費の平均は約4万2000円ですが、高収入であれば高額な慰謝料が請求可能なんです。

原則として慰謝料は「子どもが成熟するまで」支払う義務があるとされているので、20歳もしくは話し合いによっては大学を卒業する22歳まで受け取ることができます。お子さまが小さい場合は総額で4000万円を超えることもあるのです。

慰謝料にこだわるより正確な財産分与と養育費の請求を

ここまでのお話しで、慰謝料よりも財産分与と養育費の請求が重要ということがお分りいただけたと思います。

どちらも、離婚の際に条件を決めておかなければ、離婚後に話し合いをして正当な金額を受け取るとは難しいものです。だから、離婚の際にきちんと交渉しましょう。

特に財産分与は、ご主人が資産をもっていればいるほど、巧妙に財産を隠すものです。離婚の意思を相手に通知する前に、秘密裏に預貯金口座や不動産を確認しておきましょう

確実に財産を把握し、財産分与してもらうためには弁護士に依頼することがベストです。弁護士であれば、金融機関等に口座内容の開示を求めることができます。

まとめ

最後に今回お話ししたことをまとめておきましょう。

  • 不貞の慰謝料の相場は高くても300万円
  • 不貞の証拠がなければ慰謝料は請求できない
  • 慰謝料よりも財産分与や養育費のほうが大きなお金を請求できる
  • 財産分与のためには財産を正確に把握することが大切

財産分与や養育費は、離婚時にしっかりと決めておかなければなりません。制度的には後から請求することも可能ですが財産隠しなどによって、受け取るべきお金を受け取れなくなる可能性があります。

そのためには弁護士に依頼して早く確実に財産を特定しましょう。

当事務所は四ツ谷駅から徒歩2分の好立地ということもあり多くの資産家の奥さまにご依頼いただいております。ご主人の不貞で苦しんでいる方のお力になれると思いますので、お気軽にご相談ください。

おいしいコーヒーを飲みながら、じっくりとお話を伺った上であなたにとって最適な解決方法をアドバイスいたします。

旦那の株やトレードの利益は離婚の財産分与の対象になるの?

2019-03-22

相談者様「旦那があちこちの会社の株を持ってるんだけど、離婚したらあれを半分いただけるのかしら」

こんなご相談のお電話をいただくことがあります。

弁護士「株の取得時期や、購入するための原資の調達方法など詳しい状況を確認しないとなんとも言えないですね」

「あら。半分いただけるなら離婚したいと思ったけど無条件で分けるんじゃないんですね……」

近年は、インターネット証券会社の普及により多くの方が気軽に株取引を行えるようになり、中には数千万円の利益を出している方もいらっしゃいます。

ご主人がトレーダーとして利益を出している場合、利益はそれほど出ていなくても上場株式を所有している場合の財産分与はどうなるのでしょうか。今回は、株式の財産分与について詳しくお話ししたいと思います。

そもそも財産分与って?対象になる財産とならない財産

株の財産分与を説明する前に、財産分与について簡単に説明しておきます。財産分与とは離婚の際に、結婚期間中に夫婦で築いた財産を分割することです。財産分与の対象となるのは、ありとあらゆるお金やモノ、不動産など。代表的な財産がこちらです。

  • 現金、預貯金
  • 不動産
  • 自動車
  • 有価証券
  • 生命保険
  • 退職金
  • 子ども名義の学資保険
  • 借金

財産分与の対象となる財産=共有財産

これらのうち、「結婚してから別居するまでに購入したもの、増えたもの」が「共有財産」と呼ばれ、財産分与の対象になります。ご主人の名義、奥さまの名義、どちらでも「共有財産」です。結婚期間中に増えた貯金、購入した家や土地、購入した株、加入した生命保険、夫婦や家族のために借りた借金などは全て、離婚の時に分割しなければなりません。

財産分与の対象にならない財産=特有財産

結婚期間中に増えたものは財産分与の対象となるとお話ししましたが一部例外があります。財産分与の対象にならない財産がこちらです。

  • 結婚前から持っている財産
  • 結婚前から持っている財産によって購入した財産
  • 親や親族などから夫や妻が贈与を受けた財産
  • 個人的なギャンブルや遊興費のために借りた借金

こららの、条件に当てはまる財産は夫婦で共有していたとしても、離婚の時に分割することはできません。例えば、結婚前からご主人が住んでいた家で結婚生活を送っていた場合、その家はご主人の特有財産なので、奥さまは受け取る権利がないのです。

じゃあ株はどうなるの?ケース別に解説

財産分与の概要がわかったところで、本題の「株」の取り扱いについて解説します。ここでは、「上場企業の株をトレードしていること、もしくは保有していること」を前提にお話しします。

ポイントは「購入時期」と「購入する原資の調達方法」

先ほどお話ししたように、財産分与の対象になるのは「結婚期間中に夫婦が協力して増えた財産」だけです。結婚前に保有していた財産や親の贈与によって得た財産は財産分与の対象外。

つまり、株の場合は「いつ買ったのか」、そして「買うためのお金はどうやって調達したのか」が非常に重要になります。結婚後に給与などで得たお金で買った株であれば財産分与の対象です。

これだけではわかりづらいので様々なケースで確認してみましょう。

「結婚後に、お給料を貯蓄して株を購入してトレードで利益を積み上げていた」→財産分与の対象

結婚してから得た給与や報酬などで購入した株は財産分与の対象です。その株を売買して得た利益も分割することができます。

「株取引は個人でやっていて配偶者には一切関係ない」と思う方もいらっしゃいますが、専業主婦でも財産分与の際は「内助の功」が認められて2分の1を受け取ることができるので、トレードの利益も財産分与可能と考えられます。

「主人が独身時代から持ち続けていた株が大化けしている」→財産分与の対象外

独身時代の財産は、財産分与の対象外なので、独身時代から持ち続けている株が結婚期間中に超絶値上がりしても財産分与することはできません。奥さまが株を持ち続けることを応援していたとしても、結婚前から持っていれば共有財産にはならないと考えられます。悲しいですね……。

「専業デイトレーダーとして日々利益を積み重ねた」→財産分与の対象

会社員の傍らではなく、株取引を主な収入源としてトレードを行い利益を出し続けていた場合は、結婚期間中に増えたものは財産分与の対象になると考えられます。この場合は、結婚前に所有していた資産でトレードをしていたとしても、結婚期間中に増えたものに関しては、奥さまの内助の功があってこそ積み上げられたと想定できるからです。ただし、ケースバイケースで判断が分かれるので、ご主人がデイトレードで利益を出している場合は、弁護士に相談することを強くおすすめします。

「主人の親の遺産で購入した株だ」→財産分与の対象外

第三者から贈与された財産は特有財産なので、離婚時に分割することはできません。ご主人の親の遺産も財産分与の対象外なので、遺産で購入した株も対象外となります。お金ではなく、株を遺産として受け取ったり、贈与された場合も同様です。

「主人が結婚期間中にストックオプションで受け取った株」→財産分与の対象

株式会社に勤務している場合、会社や個人の業績に応じてストックオプションといって会社の株を従業員に分配することがあります。その場合は、結婚期間中に分配されたものであれば、財産分与の対象です。独身時代に受け取ったものは対象外になるので、ストックオプションが行使された時期を確認しておきましょう。上場企業であれば、ホームページで「IR情報」を確認すると、ストックオプションの行使時期が掲載されています。

「主人が損失を出して追証が発生した」→要確認!

株式トレードは常に利益が出るわけではありません。むしろ常に損失を抱えていることが圧倒的に多い厳しい世界です。信用取引といって手持ちの現金以上の取引をしている場合は、損失が膨らむと「追証」といって、証券会社に追加で入金しなければならないことがあります。取引額によっては数百万円から数千万円ということも。

証券会社によっては分割の返済も認められていますので、「株取引をしていると思ったら損しかしていないし、むしろ借金まである」可能性があるのです。

原則として、夫婦や家族のための借金は財産分与の対象です。でも追証は判断が難しいところ。日頃からトレードの利益を家族のために使っていれば追証も財産分与すべきと考えますが、利益を個人的な趣味に費やしていたのであれば、追証は個人の責任とも言えます。

追証が発生している場合はケースバイケースで判断がわかれますので、弁護士に相談してください。

株を財産分与する方法

財産分与は、原則としてどちらかが専業主婦や主夫でも2分の1ずつです。だから、財産分与の対象となる株がある場合は、奥さまも半分受け取る権利があります。

・株式の時価額を確認

株式を財産分与する場合は、株式の「時価額」を算出しなければなりません。上場企業の株を保有している場合は、「口頭弁論の終結時」が評価額になります。調停の場合は調停終了時、話し合いで離婚する場合は離婚が成立した日です。

・株式を離婚成立時に売却

上場企業の株を保有している場合、株の名義を書き換えることも不可能ではありませんが、手続きがかなり厄介ですので、現実的には売却して分割することになるでしょう。上場企業の評価額は毎日変動しています。離婚成立後に価格が急落すると「急落した分を補償しなさいよ!」という問題が発生する可能性があるので、離婚成立時に売却しておくことを強くおすすめします。

・売却したお金を分割

証券会社やネット証券などで売却が完了したら、あらかじめ決めておいた分割割合に応じて、それぞれの口座に送金しましょう。

ご主人が株を保有している場合は弁護士に相談を

ここまで、ご主人が上場企業の株を保有している場合の財産分与についてお話ししてきましたが、ご主人が株式を保有している場合は、まずは弁護士に相談することを強く強くおすすめします。なぜならば、資産が大きくちょっとした交渉の失敗で受け取る金額が大きく減少してしまう可能性があるからです。

ここでご紹介した事例はあくまで原則論。実際の交渉では原則とは異なる結果になることもあります。何よりも、状況によって財産分与の対象になるかどうかが変わるので、個別の事情を確認しなければ正確な判断ができません。

四ツ谷オフィスでは様々な資産を保有している方のご相談が多く、株がらみの財産分与についてはかなり力強くお力になれる自身があります。ご主人と直接話し合いをする前に、ぜひ当事務所までお問い合わせください。状況に応じて、最適な財産分与の方法をアドバイスいたします。

夫が財産を隠している!このまま離婚したら大損するかも!対処法は?

2019-03-22

離婚といえば「主人が浮気したから慰謝料1000万円を請求するのよ!!」と、慰謝料請求ばかりに注目しがちですが、いくら相手が不倫をしていても請求できる慰謝料には限度があります。実は大きな金額を受け取ることができるのは財産分与。

特にご主人が上場企業の役員や会社経営者、地主さんや医師などの高所得者の場合は、財産分与の際に数千万円単位のお金が動くことも。

「だったら、離婚後の生活は心配ないわね」

確かに、ご主人が所有する財産を正確に申告してくれれば、問題ないでしょう。しかし、大きな金額が動くからこそ、「財産隠し」に走るご主人も少なくありません。大企業に勤めていて、収入もたくさんあるし貯金もあったはずなのに、離婚の話し合いの時に財産リストをチェックしたら「100万円しかない!!」なんてこともあるんです。

そこで、今回は離婚の際に横行する「財産隠し」の実情と対処法について解説したいと思います。これから離婚を考えている方、すでに離婚の話し合いが進んでいる方は、ぜひぜひ目を通してください。

財産分与って何?対象になる財産とならない財産とは

財産隠しについてお話しする前に、簡単に財産分与について解説しておきます。「そんなの知ってる」という方は「財産隠し」の項目まで読み飛ばしていただいて大丈夫です。

財産分与とは

財産分与とは、離婚の際に夫婦の「共有財産」を分割することです。原則として夫や妻が専業主婦(夫)でも、2分の1ずつ分割します。夫婦の共有財産とは、結婚してから別居するまでもしくは離婚が成立するまでの間に増えた財産のことです。現金・預貯金・給与・退職金・不動産・有価証券・生命保険・子ども名義の学資保険・自動車・家具・借金などのありとあらゆる財産を分割できます。

財産分与の対象になる財産とならない財産

財産分与の対象になるのは「夫婦の協力によって築かれた財産」なので、夫婦の協力で増えたとみなされないものは財産分与の対象外です。対象外となってしまう財産の代表的なものがこちらです。

  • 独身時代から保有している財産
  • 独身時代から保有している財産で購入したもの
  • 親や親族などの第三者から贈与された財産
  • 個人のギャンブルや遊興などで作った借金

これらに当てはまらなければ、財産分与の対象となると思ってよいでしょう。株や不動産などの財産分与についてもっと詳しく知りたい方はこちらの記事(後ほどリンクを貼ります)を参考にしてください。

財産分与の財産隠しの手口とは

ご主人の資産が多い場合、離婚すれば半分奥さまに分割しなければならないので、離婚の気配を察知する前から財産を隠している可能性があります。会社を経営などで高収入を得ていたはずなのに、財産分与の際に提出された財産リストはたったの数十万円っていう事例もあるんです。

奥さまの知らない銀行口座を作って資金を移動

財産隠しで多い手口が、奥さまが把握していない口座への資金の移動です。馴染みがない地域の地方銀行の口座やネット銀行に送金します。直接送金すると、振込履歴でばれてしまうので、一度出金してから入金するケースもあります。

特にネット銀行は、書類のやり取りが最小限で済むので財産隠しに使われやすい傾向にあります。

法人を設立して出資や経営者貸付などの名目で入金

財産隠しのための会社を設立したり、遊休会社を利用したりして財産を隠すこともあります。法人名義の財産は、たとえ夫が経営者でも財産分与の対象外ですので、その法人が財産隠し専用の会社であることを立証しなければ財産分与を主張することは難しくなってしまいます。

第三者の名義の口座に送金する

自分の口座ではなく、母親や父親、親戚などの第三者の口座に資金を移動させていることもあります。怪しいお金の動きがないか、通帳や入出金履歴などで確認しておきましょう。

離婚後に財産隠しが発覚したらどうすれば?

離婚前に財産隠しが発覚した場合、できるだけ早く財産を特定して財産分与を行う必要があります。なぜならば、財産分与の請求権は離婚成立から2年と規定されているからです。通常時効には「請求したらカウントが停止する」など時効の進行を停止できる方法があるのですが、財産分与には存在しないため、財産隠しが原因で、財産分与が正常に行われなかった場合も、離婚成立から2年で請求することができなくなってしまいます。

もし、離婚してからしばらくたって財産隠しが発覚した場合は、速やかに弁護士に依頼して財産特定のサポートをしてもらうとともに、家庭裁判所に財産分与調停を申し立ててもらいましょう。

財産分与調停を申し立てることで、隠している財産の開示を求める手続きが可能になります。離婚後の財産隠しは、時間との戦いなので悩んでいる暇があったらすぐ弁護士に連絡してください。

財産隠しの対処法は「弁護士に依頼すること」

財産隠しは、ある程度自分で対処することもできます。把握している口座のお金の流れをチェックすることや、郵送物を確認して取引がある金融機関を把握しておくこと、パソコンメールなどをこまめにチェックすること、などです。

ただし、郵便物の送付先を会社にするなどの対策をとっていればなかなか尻尾をつかむことはできません。何よりも、時間が経てばたつほど財産が分散されてしまい把握が困難になります。離婚の準備がバレてしまったら、さらに財産隠しが進んでしまう可能性もあるでしょう。

だから、離婚しようと思った時点で弁護士に相談することを強くおすすめします。財産分与の実績が豊富な弁護士であれば、奥さまのお話を聞いた上で、迅速に対応可能です。

預貯金がある銀行と支店名がわかれば「弁護士照会」という手続きを行い、情報開示を求めることができます。調停や訴訟になっていればさらに強制力がある手続きもできます。

まとめ

最後にこの記事でお話ししたことをおさらいしましょう。

  • 離婚の意思を相手に伝える前に財産をチェックしよう
  • 財産隠しが発覚したらすぐに弁護士に相談
  • 離婚後も2年間は隠し財産の財産分与を請求できる

巧妙に財産を隠されてしまうと、なかなか特定するのは難しいので、なるべく早く弁護士に相談して財産を特定しましょう。

 

「旦那の不動産は半分私のものじゃないの!?」財産分与の落とし穴

2019-03-22

相談者さま先生、今度離婚することになったんですが、旦那が所有する不動産って半分私のものになるんですよね?

弁護士「ご主人が結婚してから得た収入で購入したものならそうなると思いますが、結婚前から持っているものや親御さんから贈与を受けたものは財産分与の対象外ですよ」

相談者さま「!!!!!」

四ツ谷のオフィスに移転してからこんなご相談を受けることが増えました。
離婚するときは、結婚期間中に夫婦で築いた財産を分割する「財産分与」が行われます。原則として2分の1ずつわけるもの。

だから冒頭の奥様のおっしゃってることは間違いではありません。
でも、財産分与の対象になるものとならないものがあるので、注意が必要です。

今回は、財産分与の対象になる財産・ならない財産、財産分与の進め方、そして不動産の財産分与を解説します。
財産分与は離婚の時に最も大きなお金が動くと言ってもいい項目なので、離婚を考えている方は頭に叩き込んでおいてください。

そもそも財産分与ってなに?

財産分与の対象になる財産について説明する前に簡単に財産分与について解説しておきます。

財産分与とは、離婚の際に、結婚期間中、厳密に言うと別居までの間に夫婦で協力して増やした財産「共有財産」をわけることです。現金や預貯金、不動産、車、家具などなんでも共有財産です。

夫の名義であろうと妻の名義であろうと、結婚期間中に増えたものであれば、財産分与をしなければなりません。意外と忘れられがちなのが、生命保険や学資保険、有価証券、退職金などです。それから夫婦や家族のための借金も財産分与の対象になるので、住宅ローンや教育ローン、カードローンの残債のチェックもお忘れなく。

離婚の際にもれなくリストアップしなければ、受け取るべき財産が受け取れなくなるので、執念深く思い出して書き出しておいてください

「これは共有財産なのかな。判断が難しい」と思ったものも、書き残しておきましょう。

財産分与の対象外になる財産

では本題の、財産分与の対象外になる財産についてお話しします。財産分与の対象外となる代表例がこちらです。

  • 結婚前から持っていた財産
  • 結婚前、結婚中に親などから贈与を受けた財産
  • 個人的なギャンブルなどで作った借金
  • 法人名義の財産

みてわかるように、「夫婦の協力で築いたとはいえないもの」が財産分与の対象外になるんです。法律用語では「特有財産」といいます。

結婚前から持っていた財産

結婚前にためていた定期貯金や有価証券、現金や預貯金、不動産などは財産分与の対象外です。独身時代に購入したマンションや車は離婚の時に分けることはできません。

「旦那が独身時代から持っている口座が生活口座になっていて、結婚前に貯金もあったけど今は出たり入ったりしていてよくわからなくなった場合はどうなるの?」

結婚前の貯金は特有財産だから財産分与の対象外が原則ですが、結婚後ごっちゃになってわからなくなった場合は「共有財産」とみなされるケースが多いですね。奥様にとってはチャンスと言えます。

親からもらったお金で購入した不動産

「うちの旦那の不動産は全部親から相続したお金で買ったらしいんだけどあれは特有財産だからもらえないってこと!?」

うーん。答えは「やってみなければなんともいえない」と言うところ。
原則は、親から贈与を受けた財産は特有財産とみなされ、財産分与の対象外です。でも、結婚後に親からお金を受け取ったことを立証する証拠がなければ、「親からの贈与で買った」とは言い切れません。

個別の状況を確認して、「親から贈与を受けたこと」の証拠がないようであれば「特有財産ではない」と主張できるかもしれません。

「じゃあ親からもらった不動産で得た収入はどうなるの?」

不動産収入を得るために、奥様が不動産管理に協力していた、ご主人を精神的にでもサポートしていた、と主張できれば不動産収入は財産分与の対象にできるかもしれません。ただ、明確に決まっている部分ではないので、これも「やってみなければわからない」ですね。

個人的な理由で作った借金

プラスの財産は分けたいですが、マイナスの財産=借金は分割して欲しくないものです。その分財産分与の対象となる財産の総額が減ってしまいます。

借金は、夫婦や家族のために作ったものであれば財産分与の対象です。住宅ローンやマイカーローンなどが代表的ですね。

でも、個人的なギャンブルや度を越した飲食代のために作った借金は財産分与の対象外です。独身時代に借りたお金ももちろん対象外。

ご主人に借金がある場合は、借りた時期や理由をはっきりとさせておきましょう。

法人名義の財産

原則として、奥さま、もしくはご主人が代表を務めていても法人名義の財産は財産分与の対象とはなりません。税金対策で、不動産を法人名義にしている場合は、全てを離婚時に分配することは難しいでしょう。

ただし、「明らかに自宅として住んでいるだけのマンション」など、実際の使用目的が名義とそぐわない場合には、財産分与の対象にできる可能性もあります。また、ご主人が所有している法人の株は、財産分与の対象です。

財産分与の進め方

財産分与とは何かがざっくりとわかったところで、財産分与の手順を説明しましょう。財産分与は離婚のお話と並行して進めるので、こんなにスムーズに行かないかもしれませんが、基本はこんな感じです。財産分与は共有財産の額によっては慰謝料以上に大きなお金が動く部分なので、ちょっとでも「揉めそう」と思ったら弁護士に相談してください

相手に離婚の意思を伝える前に財産をリストアップ

財産分与の時に問題になりがちなのが「隠し財産」です。

ご主人の秘密のマンションや奥様のへそくり、など元から隠しているものも、結婚期間中に築いたものならもちろん財産分与の対象です。元から隠しているものは見つけるのが大変ですが、金融機関からの手紙や、メールなどを注意深く観察して、あなたが知らない銀行や不動産会社からの手紙やメールを見つけたら要チェック。

「〇〇銀行に5000万円」というようにはっきりわからなくても、口座があると思われる金融機関や証券会社がわかれば、弁護士に依頼して「弁護士照会」という手続きで、口座の中身を確認できます。

そして、さらに気をつけなければならないのが「離婚を察知して財産を隠されること」です。不動産や株式、預貯金などの保有資産が多いと、奥さまが全てを把握するのは困難。だから、離婚話を察知するとこっそり隠してしまうご主人さまが少なくないんです。

まだ、離婚話を切り出していないなら、離婚の気配に気づかれる前に財産を洗い出してください。ばれないように!

離婚を切り出す

財産の洗い出しが完璧だと思ったら、離婚話を切り出しましょう。相手が了承すればあとは財産分与や、子どもがいる場合は養育費などの条件を決めていくことになります。 しかし!相手が離婚に応じない場合は、話し合いは泥沼の様相を呈して身動きが取れなくなります。

話し合いで決まるのであればどんな理由であっても離婚可能ですが、調停や裁判になる場合は、民法で規定された場合しか離婚が認められません。あなたの離婚したい理由によっては早めに弁護士に相談して交渉する必要があります

相手の不貞行為などを原因に離婚する場合は、財産分与の他に慰謝料を請求できますので、自分で戦わず、まず弁護士へ。

財産分与の割合や分け方を決める

双方が離婚に合意したら、財産分与の割合や分け方を決めていきます。先に離婚届を提出してもよいですが、離婚が成立してしまうと話し合いがスムーズに進まなくなるので、できれば全ての話し合うべきことに決着が着いてから、離婚届を提出しましょう。

財産分与は、双方が共有財産をリストアップして、その内容に合意したら分割割合を決定します。原則として、割合は2分の1です。奥さまが専業主婦でもご主人が専業主夫でも、分割割合が大きく変動することはありませんのでご安心ください。

話し合いであれば、両者が合意すれば好きな割合で分割することも可能ですが、裁判では多くのケースが2分の1と判断されますので、ご主人が「お前は専業主婦だから半分も渡せない」と言ってもスルーしましょう。

話し合いで合意できなければ調停や訴訟へ

財産分与だけでなく、離婚するかどうかや慰謝料の問題など様々な問題が噴出して、全くお話にならない場合は、調停を検討します。調停とは家庭裁判所で行われる話し合いです。

調停委員という人たちがそれぞれの話を聞いて、解決案を提案してくれます。裁判ではないので、解決案に不服がある場合は従わずに裁判を起こすことも可能。 ここまでこじれてしまったら、自分たちだけで解決することは難しいので、弁護士に交渉を一任してしまいましょう。

合意したら財産を分割

話し合いや調停、裁判で離婚や財産分与に双方が合意したら、財産を分割します。法律で「この瞬間に分割しなさい!」と決められているわけではありませんが、離婚と同じタイミングで分けておくとトラブルが少ないと思います。財産分与の時効は2年なので、ぼんやりしていて時効を迎えることがないように注意してくださいね。

話し合いで財産分与を決めた場合は、公正証書を作成しておくと安心です。ご主人が約束を破ったら財産の差し押さえなどの手続きが比較的簡単にできます。と言っても、裁判所に申し立てたりしなければならないので、弁護士の力が必要なケースがほとんどです。

不動産の財産分与の方法

では、さらに不動産に焦点を絞って財産分与のお話を進めていきます。先ほど、結婚期間中に取得した不動産は「財産分与の対象となる」とお話ししましたが、不動産はお金みたいにきれいに分割することができませんよね。物理的に分けることはほぼ不可能です。

「私はあのビルとあっちのマンションが欲しい!」

このように、複数持っている場合は、物件ごとに分けることもできます。でも1つしかなければちょっと分け方は複雑ですので、具体例を交えながら説明していきます。

不動産の評価額を確認

まずは不動産の評価額を確認します。お金に換算しないと平等に分割できませんよね。多くの場合は不動産鑑定士などに依頼して、離婚成立時の時価額で評価します。不動産を購入する際にお金を借りている場合は、残債も要確認。残債は借りている金融機関に問い合わせればすぐにわかるでしょう。

共有財産部分を計算

不動産の評価額がわかったら共有財産部分を計算しましょう。物件の評価額が1億円、ご主人が親から贈与された1000万円を頭金に組み込んで購入した場合は9000万円が財産分与の対象です。

売るのか住むのかを決める

その物件を売却して分割するのか、もしくはどちらから居住や保有するのかを決定します。売る場合はシンプルですが、保有を続ける場合は保有する側が保有しない側に金銭を支払わなければなりません。先ほどの1億円の物件の場合、奥さまが保有することになったら4500万円をご主人に支払わなければならないということです。 (詳しく知りたい方はこちらの不動産の財産分与を参考にしてください)

まとめ

ご主人が多くの不動産を保有している場合、財産分与は通常よりも複雑になります。そしてちょっと判断を間違えるとかなりの不利益を被ることが少なくありません。離婚の時って、慰謝料のことばかりに目がいきがちですが、本当にお金が動くのは財産分与。

「今はインターネットでなんでも調べられるし、この記事を読んで勉強したから自分で戦うの!」って思いましたか?

確かにインターネットにはいろんな情報が掲載されていますが、法律関係は一般的なことばかりであなたの状況にぴったりの事案や解決策ってなかなかないものです。 特に不動産の財産分与については、どこから共有財産になるのかという点を含め裁判でも判断が分かれることが多いので、弁護士に相談して、損をしないように立ち回ることが大切です。

当事務所は四ツ谷駅から徒歩2分の好立地!

完全個室でおいしいコーヒーを飲みながらじっくりお話伺いますので、お気軽にご相談ください。

トップへ戻る

電話番号リンク 問い合わせバナー