行政書士、司法書士、弁護士の違い

■ 行政書士ができること、できないこと

①  行政書士にできること

行政書士も権利義務関係に関する書類を作成する権限があるため、主張を法的観点から整理した書類を作成することは理論上は可能です。

また、双方が離婚に同意している場合に、その同意に基づいて離婚協議書を作ることもできます。

 

② 代理人として交渉することはできません

紛争案件を扱うことは行政書士には認められていません。
つまり、離婚についての交渉はできません。
そして、交渉をすることがないため、具体的に交渉では何が問題となりうるかということを見通すことは難しいといえ、それは文書作成業務についても影響のある事情といえます。

 

③ 離婚に関する法律相談もできません

広島高等裁判所松江支部平成25年5月29日判決は、行政書士が依頼を受けた内容証明を作成するのに付随して行った助言行為を「法律的知見などに基づいて主体的に女性を指導しており、行政書士に許される書類作成のための相談業務の範囲を大きく逸脱している」として、違法と判断しています。

要するに、行政書士は離婚問題について、「あなたの言っていることは法律的には●●というものになります」と言うことはできますが、それ以上に積極的に指導することができないため、実質的には相談にのれないことになります。

 

■ 司法書士にできること、できないこと

① 司法書士にできること

司法書士は、権利義務に関する書類の作成、裁判所への提出書類の作成、登記業務、140万円以下の紛争案件について取り扱うことができます。

とくに登記業務については、司法書士が専門とする分野です。

裁判所への提出書類の作成ができるため、調停関係の書類作成を行うことは可能ですが、司法書士は代理人として出席できないため、裁判所から何を求められているかは依頼者からの又聞きでしか確認できません。また、作成した書類が裁判所にどのような影響を与えたかを確認することもできないということになります。

 

② 司法書士にできないこと

140万円を超える紛争案件は、司法書士は取り扱うことはできません。

このことから、争いがある場合に司法書士に依頼してしまうと、依頼を受けた司法書士は、総額140万円以下で処理しようとし、本来なら、もっともらえるはずのものがもらえないという結果になりかねません。

 

■ 弁護士にできること、できないこと

弁護士は、離婚について検討中の方への法的アドバイス、協議離婚の交渉、離婚調停の代理、離婚裁判の代理など、基本的には法律問題に関しては何でもできます。

もっとも、登記手続に関しては、法律上認められてはいますが、実際にはほとんどの弁護士は業務としては行っておらず、必要に応じて司法書士さんと連携してお願いすることになります。

 

■ 料金の違いは?

料金は、いずれの資格でも事務所ごとに料金体系が異なるため、行政書士は安く、弁護士は高い、司法書士はその中間ということはありません。

実際、かなり高額の報酬を取っている行政書士や司法書士もいます。
つまり、弁護士に頼むことが常に一番高いということもありません。

 

■ 各専門家の使い分け

資格ごとの違いからすれば、次のように使い分けるのが良いのではないかと思います。

・離婚について合意ができていて、登記移転手続が必要なものがない場合は、行政書士、司法書士、弁護士のいずれに書類作成を依頼しても大きな違いはないともいえますが、そもそも争いがないと言えるのかという判断を確実にしたいのであれば、紛争解決の経験が一番豊富である弁護士に依頼することがおすすめであるといえます。

実際に書面の作成そのものを依頼しないとしても、作成しようとしている文書の内容について弁護士に一度相談だけでもすることをおすすめします。

 

・離婚について合意ができていて、その中に、登記移転手続が必要な財産がある場合は、司法書士に依頼することで一度の依頼で解決することも可能です。

ただ、やはり離婚についての合意が問題ないのかの確認は、弁護士に確認することが一番確実でありますし、登記手続に必要な司法書士については、弁護士が連携している司法書士を紹介することも可能です。

 

・離婚に向けての相談や、実際に争いになっている場合には弁護士に依頼した方が良いでしょう。

ただし、登記移転手続が必要な財産がある場合には、別途司法書士にも依頼する必要がありますし、多額の財産の移動がある場合には、税理士さんの見解を確認することも必要となりますが、このような場合には弁護士から必要な専門家を紹介することも可能です。

 

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