旦那の株やトレードの利益は離婚の財産分与の対象になるの?

相談者様「旦那があちこちの会社の株を持ってるんだけど、離婚したらあれを半分いただけるのかしら」

こんなご相談のお電話をいただくことがあります。

弁護士「株の取得時期や、購入するための原資の調達方法など詳しい状況を確認しないとなんとも言えないですね」

「あら。半分いただけるなら離婚したいと思ったけど無条件で分けるんじゃないんですね……」

近年は、インターネット証券会社の普及により多くの方が気軽に株取引を行えるようになり、中には数千万円の利益を出している方もいらっしゃいます。

ご主人がトレーダーとして利益を出している場合、利益はそれほど出ていなくても上場株式を所有している場合の財産分与はどうなるのでしょうか。今回は、株式の財産分与について詳しくお話ししたいと思います。

そもそも財産分与って?対象になる財産とならない財産

株の財産分与を説明する前に、財産分与について簡単に説明しておきます。財産分与とは離婚の際に、結婚期間中に夫婦で築いた財産を分割することです。財産分与の対象となるのは、ありとあらゆるお金やモノ、不動産など。代表的な財産がこちらです。

  • 現金、預貯金
  • 不動産
  • 自動車
  • 有価証券
  • 生命保険
  • 退職金
  • 子ども名義の学資保険
  • 借金

財産分与の対象となる財産=共有財産

これらのうち、「結婚してから別居するまでに購入したもの、増えたもの」が「共有財産」と呼ばれ、財産分与の対象になります。ご主人の名義、奥さまの名義、どちらでも「共有財産」です。結婚期間中に増えた貯金、購入した家や土地、購入した株、加入した生命保険、夫婦や家族のために借りた借金などは全て、離婚の時に分割しなければなりません。

財産分与の対象にならない財産=特有財産

結婚期間中に増えたものは財産分与の対象となるとお話ししましたが一部例外があります。財産分与の対象にならない財産がこちらです。

  • 結婚前から持っている財産
  • 結婚前から持っている財産によって購入した財産
  • 親や親族などから夫や妻が贈与を受けた財産
  • 個人的なギャンブルや遊興費のために借りた借金

こららの、条件に当てはまる財産は夫婦で共有していたとしても、離婚の時に分割することはできません。例えば、結婚前からご主人が住んでいた家で結婚生活を送っていた場合、その家はご主人の特有財産なので、奥さまは受け取る権利がないのです。

じゃあ株はどうなるの?ケース別に解説

財産分与の概要がわかったところで、本題の「株」の取り扱いについて解説します。ここでは、「上場企業の株をトレードしていること、もしくは保有していること」を前提にお話しします。

ポイントは「購入時期」と「購入する原資の調達方法」

先ほどお話ししたように、財産分与の対象になるのは「結婚期間中に夫婦が協力して増えた財産」だけです。結婚前に保有していた財産や親の贈与によって得た財産は財産分与の対象外。

つまり、株の場合は「いつ買ったのか」、そして「買うためのお金はどうやって調達したのか」が非常に重要になります。結婚後に給与などで得たお金で買った株であれば財産分与の対象です。

これだけではわかりづらいので様々なケースで確認してみましょう。

「結婚後に、お給料を貯蓄して株を購入してトレードで利益を積み上げていた」→財産分与の対象

結婚してから得た給与や報酬などで購入した株は財産分与の対象です。その株を売買して得た利益も分割することができます。

「株取引は個人でやっていて配偶者には一切関係ない」と思う方もいらっしゃいますが、専業主婦でも財産分与の際は「内助の功」が認められて2分の1を受け取ることができるので、トレードの利益も財産分与可能と考えられます。

「主人が独身時代から持ち続けていた株が大化けしている」→財産分与の対象外

独身時代の財産は、財産分与の対象外なので、独身時代から持ち続けている株が結婚期間中に超絶値上がりしても財産分与することはできません。奥さまが株を持ち続けることを応援していたとしても、結婚前から持っていれば共有財産にはならないと考えられます。悲しいですね……。

「専業デイトレーダーとして日々利益を積み重ねた」→財産分与の対象

会社員の傍らではなく、株取引を主な収入源としてトレードを行い利益を出し続けていた場合は、結婚期間中に増えたものは財産分与の対象になると考えられます。この場合は、結婚前に所有していた資産でトレードをしていたとしても、結婚期間中に増えたものに関しては、奥さまの内助の功があってこそ積み上げられたと想定できるからです。ただし、ケースバイケースで判断が分かれるので、ご主人がデイトレードで利益を出している場合は、弁護士に相談することを強くおすすめします。

「主人の親の遺産で購入した株だ」→財産分与の対象外

第三者から贈与された財産は特有財産なので、離婚時に分割することはできません。ご主人の親の遺産も財産分与の対象外なので、遺産で購入した株も対象外となります。お金ではなく、株を遺産として受け取ったり、贈与された場合も同様です。

「主人が結婚期間中にストックオプションで受け取った株」→財産分与の対象

株式会社に勤務している場合、会社や個人の業績に応じてストックオプションといって会社の株を従業員に分配することがあります。その場合は、結婚期間中に分配されたものであれば、財産分与の対象です。独身時代に受け取ったものは対象外になるので、ストックオプションが行使された時期を確認しておきましょう。上場企業であれば、ホームページで「IR情報」を確認すると、ストックオプションの行使時期が掲載されています。

「主人が損失を出して追証が発生した」→要確認!

株式トレードは常に利益が出るわけではありません。むしろ常に損失を抱えていることが圧倒的に多い厳しい世界です。信用取引といって手持ちの現金以上の取引をしている場合は、損失が膨らむと「追証」といって、証券会社に追加で入金しなければならないことがあります。取引額によっては数百万円から数千万円ということも。

証券会社によっては分割の返済も認められていますので、「株取引をしていると思ったら損しかしていないし、むしろ借金まである」可能性があるのです。

原則として、夫婦や家族のための借金は財産分与の対象です。でも追証は判断が難しいところ。日頃からトレードの利益を家族のために使っていれば追証も財産分与すべきと考えますが、利益を個人的な趣味に費やしていたのであれば、追証は個人の責任とも言えます。

追証が発生している場合はケースバイケースで判断がわかれますので、弁護士に相談してください。

株を財産分与する方法

財産分与は、原則としてどちらかが専業主婦や主夫でも2分の1ずつです。だから、財産分与の対象となる株がある場合は、奥さまも半分受け取る権利があります。

・株式の時価額を確認

株式を財産分与する場合は、株式の「時価額」を算出しなければなりません。上場企業の株を保有している場合は、「口頭弁論の終結時」が評価額になります。調停の場合は調停終了時、話し合いで離婚する場合は離婚が成立した日です。

・株式を離婚成立時に売却

上場企業の株を保有している場合、株の名義を書き換えることも不可能ではありませんが、手続きがかなり厄介ですので、現実的には売却して分割することになるでしょう。上場企業の評価額は毎日変動しています。離婚成立後に価格が急落すると「急落した分を補償しなさいよ!」という問題が発生する可能性があるので、離婚成立時に売却しておくことを強くおすすめします。

・売却したお金を分割

証券会社やネット証券などで売却が完了したら、あらかじめ決めておいた分割割合に応じて、それぞれの口座に送金しましょう。

ご主人が株を保有している場合は弁護士に相談を

ここまで、ご主人が上場企業の株を保有している場合の財産分与についてお話ししてきましたが、ご主人が株式を保有している場合は、まずは弁護士に相談することを強く強くおすすめします。なぜならば、資産が大きくちょっとした交渉の失敗で受け取る金額が大きく減少してしまう可能性があるからです。

ここでご紹介した事例はあくまで原則論。実際の交渉では原則とは異なる結果になることもあります。何よりも、状況によって財産分与の対象になるかどうかが変わるので、個別の事情を確認しなければ正確な判断ができません。

四ツ谷オフィスでは様々な資産を保有している方のご相談が多く、株がらみの財産分与についてはかなり力強くお力になれる自身があります。ご主人と直接話し合いをする前に、ぜひ当事務所までお問い合わせください。状況に応じて、最適な財産分与の方法をアドバイスいたします。

 

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